UXの理想を形にする、エムティーアイのサービス開発

 エムティーアイではサービスを通じてユーザーにどのような体験をしてもらうかを重視しており、全社横断的にユーザーがサービスの利用を通じて得られる体験や価値であるユーザーエクスペリエンス(UX)や、ユーザーがサービスを利用する際の接点であるユーザーインターフェース(UI)の設計を専門に担当するメンバーが多数在籍しています。  またスマートフォン向けサービスを中心に、200を超える自社サービスのUI/UXデザインのノウハウを蓄積しており、そのノウハウを基にパートナー企業と共にサービス開発を行う際にも、企画の初期段階からUI/UXのデザイナーが参画してサポートしています。  今回は自社サービス、パートナー企業のサービス開発ともに多数のUXデザインに携わってきたUXデザイナーの内山美穂に、当社のUXデザイン文化、そして当社だからこそ提供できる価値について聞きました。   Profile 内山 美穂 +Design部 2009年入社。デコメールやソーシャルゲームプラットフォームなどエンターテインメント関連サービスの企画・運用を経て、2014年より当社サービスのUXデザインを全社横断的に担当。 近年は自社サービスのUX設計ノウハウをもとにパートナー企業のサービス企画・開発にも携わる。 全サービスでUXデザインを当たり前に行う文化 ―エムティーアイでのUXデザインの歴史について教えてください  2008年に日本で初めてiPhone※1が発売され、2010年代前半の世の中はフィーチャーフォンからスマートフォンへの移行が進んでいました。1996年から携帯電話向けコンテンツを中心にサービス提供してきた当社も、フィーチャーフォンのサービスをスマートフォンサービスに移行し、強化していました。  私はiPhoneが発売された翌年の2009年に入社し、フィーチャーフォンでよく使われていたデコメ※2サービスやソーシャルゲームプラットフォームの企画・運用などを担当していました。  サービスがスマートフォン向けに変わっていく中で、ユーザーにサービスを知ってもらう経路や提供すべき価値も変化していき、これまで以上に顧客視点を重視したサービス作りが必要となってきました。  そのような中、2014年に全社横断でサービスのUXを設計する専属チームの一員となりました。  スマートフォンの普及によりサービス間の競争が激しくなる中、当社のサービスを選んでもらうためには、ユーザーを中心に考え、ユーザーにどのような体験をしてもらうかを設計した上で、付加価値を提供することがこれまで以上に重要になりました。  そのため、新規サービスだけでなく『ルナルナ』や『music.jp』のようなフィーチャーフォン時代から多くのユーザーに利用されている長寿サービスも含め、全サービスでUXデザインを取り入れることになりました。 UXデザイン設計ミーティングの様子  取り入れ始めた当初は、UXデザインを積極的に取り入れる意思はありつつも、何をやっていいかわからない状態で、「まずはユーザーインタビューをしてみよう」「(UXの手法のうちの一つに焦点を当てて)ワークショップをやってみよう」など個々の手法を点で取り入れるに留まっていました。  まだ社内でもUXについて精通している人が少ない中で、実際のサービス企画に取り入れようとすると、効果が未知数のUXデザインに予算や工数をかけることをためらってしまう例がありました。例えば、ユーザーインタビューに力を入れようとすると1カ月から2カ月かかることもあり、それだけの工数をかけて「どのような結果が得られるのか」「サービスの向上や収益につながるのか」など、社内でなかなか理解が得られないこともありました。  しかし実績が溜まっていくと、「あのサービスにUXをもとに新機能を追加したら、こんな実績が出たらしい」と社内で話題になるようになり、UXデザインはサービス企画においてとても重要な役割を持っているという認識が広がりました。  そして当社では、UXデザインを「した方が良いもの」という認識から「必ずするもの」という文化に変わっていきました。 エムティーアイが実現するUXデザインとサービス開発 ―パートナー企業とのサービス開発におけるUXデザインや体制について教えてください  当社では全社的にUXデザインを取り入れたサービス作りが浸透し、実績やノウハウも溜まっているため、近年それを生かしパートナー企業に対してサービス企画・開発を提供することが増えてきました。私もその際にUXデザイナーとしてパートナー企業のサービス作りに携わる機会も多くなってきました。  パートナー企業のサービス作りに参画すると、当社だからこそ提供できる価値が多々あると実感しています。  その一つに、当社はサービス企画の上流工程から、開発、実装までを一貫して行える環境があります。例えユーザー視点に立った素晴らしいUXデザインができたとしても、それがUIやビジュアルに落とし込まれ、サービスに実装されてユーザーのもとに届く形にならなければ意味がありません。  当社ではサービスの企画段階から企画者・デザイナー・開発者が参画するため、各担当がユーザーのニーズや、サービスを通じて抱いてもらいたい感情などのコンテキストまでを理解し、共通認識を持った上で制作を進行することができます。  そのため、企画者やデザイナーから依頼があった内容を開発者がそのまま実装するということはなく、「こういう体験をしてもらうには、画面上でこう見せた方が良い」など、開発者からも積極的に声が上がります。  二つ目の特徴として、オンショア・オフショアで協力してサービス開発を進めるハイブリッド体制が構築できているという点が挙げられます。  当社では社内だけでなくオフショアでも開発を行っていますが、海外の開発拠点も国内と同様に、ペルソナなどのUXに関する資料を翻訳して共有し、議論を重ねながらユーザー像の共通認識を持って開発ができるようにしています。 オフショア開発拠点のメンバーとのUXデザイン会議の様子  日本と海外では環境や文化が違うこともあり、ただ説明をされただけで背景まで理解することは簡単ではありません。例えば、ベトナムで天気情報のサービスを開発する場合、地震や台風など日本に特有の自然災害についての理解が必要です。  また、他国では外出をためらうほどの気象であっても、なんとか出勤しようとする日本人の行動や心理を説明しなければ、サービスに実装する警報機能が日本のユーザーにとってどれほど重要なものか理解ができないことがあります。  今まで“なんとなく”で伝わっていたことも、今後様々な拠点で仕事を進めて行く場合、UXの共通認識を持つことがより重要になってくると思います。 オフショア開発時のUXデザイン資料イメージ    また、長くサービスを運営していく中で新しいメンバーが増えることもあると思いますが、全員がUXを理解できるようにしておくことも重要です。  例えば『ルナルナ』は、女性がメインターゲットのため運営には女性が多いのですが、新しく男性が加わることもあります。その場合、『ルナルナ』のサービス内容を知ってはいても、なかなか自分ごと化しにくい面があります。  愛や熱意があるだけではユーザーニーズに基づいたサービスを作ることができないので、より一層UXを理解しておく必要があります。  体調管理や妊活を考える女性のための無料基礎体温記録アプリ『ルナルナ...

 エムティーアイではサービスを通じてユーザーにどのような体験をしてもらうかを重視しており、全社横断的にユーザーがサービスの利用を通じて得られる体験や価値であるユーザーエクスペリエンス(UX)や、ユーザーがサービスを利用する際の接点であるユーザーインターフェース(UI)の設計を専門に担当するメンバーが多数在籍しています。
 またスマートフォン向けサービスを中心に、200を超える自社サービスのUI/UXデザインのノウハウを蓄積しており、そのノウハウを基にパートナー企業と共にサービス開発を行う際にも、企画の初期段階からUI/UXのデザイナーが参画してサポートしています。
 今回は自社サービス、パートナー企業のサービス開発ともに多数のUXデザインに携わってきたUXデザイナーの内山美穂に、当社のUXデザイン文化、そして当社だからこそ提供できる価値について聞きました。

 

Profile

内山 美穂

+Design

2009年入社。デコメールやソーシャルゲームプラットフォームなどエンターテインメント関連サービスの企画・運用を経て、2014年より当社サービスのUXデザインを全社横断的に担当。

近年は自社サービスのUX設計ノウハウをもとにパートナー企業のサービス企画・開発にも携わる。

全サービスでUXデザインを当たり前に行う文化

―エムティーアイでのUXデザインの歴史について教えてください

 2008年に日本で初めてiPhone※1が発売され、2010年代前半の世の中はフィーチャーフォンからスマートフォンへの移行が進んでいました。1996年から携帯電話向けコンテンツを中心にサービス提供してきた当社も、フィーチャーフォンのサービスをスマートフォンサービスに移行し、強化していました。
 私はiPhoneが発売された翌年の2009年に入社し、フィーチャーフォンでよく使われていたデコメ2サービスやソーシャルゲームプラットフォームの企画・運用などを担当していました。
 サービスがスマートフォン向けに変わっていく中で、ユーザーにサービスを知ってもらう経路や提供すべき価値も変化していき、これまで以上に顧客視点を重視したサービス作りが必要となってきました。
 そのような中、2014年に全社横断でサービスのUXを設計する専属チームの一員となりました。
 スマートフォンの普及によりサービス間の競争が激しくなる中、当社のサービスを選んでもらうためには、ユーザーを中心に考え、ユーザーにどのような体験をしてもらうかを設計した上で、付加価値を提供することがこれまで以上に重要になりました。
 そのため、新規サービスだけでなく『ルナルナ』や『music.jp』のようなフィーチャーフォン時代から多くのユーザーに利用されている長寿サービスも含め、全サービスでUXデザインを取り入れることになりました。

UXデザイン設計ミーティングの様子

 取り入れ始めた当初は、UXデザインを積極的に取り入れる意思はありつつも、何をやっていいかわからない状態で、「まずはユーザーインタビューをしてみよう」「(UXの手法のうちの一つに焦点を当てて)ワークショップをやってみよう」など個々の手法を点で取り入れるに留まっていました。
 まだ社内でもUXについて精通している人が少ない中で、実際のサービス企画に取り入れようとすると、効果が未知数のUXデザインに予算や工数をかけることをためらってしまう例がありました。例えば、ユーザーインタビューに力を入れようとすると1カ月から2カ月かかることもあり、それだけの工数をかけて「どのような結果が得られるのか」「サービスの向上や収益につながるのか」など、社内でなかなか理解が得られないこともありました。

 しかし実績が溜まっていくと、「あのサービスにUXをもとに新機能を追加したら、こんな実績が出たらしい」と社内で話題になるようになり、UXデザインはサービス企画においてとても重要な役割を持っているという認識が広がりました。
 そして当社では、UXデザインを「した方が良いもの」という認識から「必ずするもの」という文化に変わっていきました。

エムティーアイが実現するUXデザインとサービス開発

―パートナー企業とのサービス開発におけるUXデザインや体制について教えてください

 当社では全社的にUXデザインを取り入れたサービス作りが浸透し、実績やノウハウも溜まっているため、近年それを生かしパートナー企業に対してサービス企画・開発を提供することが増えてきました。私もその際にUXデザイナーとしてパートナー企業のサービス作りに携わる機会も多くなってきました。
 パートナー企業のサービス作りに参画すると、当社だからこそ提供できる価値が多々あると実感しています。

 その一つに、当社はサービス企画の上流工程から、開発、実装までを一貫して行える環境があります。例えユーザー視点に立った素晴らしいUXデザインができたとしても、それがUIやビジュアルに落とし込まれ、サービスに実装されてユーザーのもとに届く形にならなければ意味がありません。
 当社ではサービスの企画段階から企画者・デザイナー・開発者が参画するため、各担当がユーザーのニーズや、サービスを通じて抱いてもらいたい感情などのコンテキストまでを理解し、共通認識を持った上で制作を進行することができます。
 そのため、企画者やデザイナーから依頼があった内容を開発者がそのまま実装するということはなく、「こういう体験をしてもらうには、画面上でこう見せた方が良い」など、開発者からも積極的に声が上がります。

 二つ目の特徴として、オンショア・オフショアで協力してサービス開発を進めるハイブリッド体制が構築できているという点が挙げられます。
 当社では社内だけでなくオフショアでも開発を行っていますが、海外の開発拠点も国内と同様に、ペルソナなどのUXに関する資料を翻訳して共有し、議論を重ねながらユーザー像の共通認識を持って開発ができるようにしています。

オフショア開発拠点のメンバーとのUXデザイン会議の様子

 日本と海外では環境や文化が違うこともあり、ただ説明をされただけで背景まで理解することは簡単ではありません。例えば、ベトナムで天気情報のサービスを開発する場合、地震や台風など日本に特有の自然災害についての理解が必要です。
 また、他国では外出をためらうほどの気象であっても、なんとか出勤しようとする日本人の行動や心理を説明しなければ、サービスに実装する警報機能が日本のユーザーにとってどれほど重要なものか理解ができないことがあります。
 今まで“なんとなく”で伝わっていたことも、今後様々な拠点で仕事を進めて行く場合、UXの共通認識を持つことがより重要になってくると思います。

オフショア開発時のUXデザイン資料イメージ

 

 また、長くサービスを運営していく中で新しいメンバーが増えることもあると思いますが、全員がUXを理解できるようにしておくことも重要です。
 例えば『ルナルナ』は、女性がメインターゲットのため運営には女性が多いのですが、新しく男性が加わることもあります。その場合、『ルナルナ』のサービス内容を知ってはいても、なかなか自分ごと化しにくい面があります。
 愛や熱意があるだけではユーザーニーズに基づいたサービスを作ることができないので、より一層UXを理解しておく必要があります。

 体調管理や妊活を考える女性のための無料基礎体温記録アプリ『ルナルナ 体温ノート』では、不妊治療の記録・管理を支援する「治療サポートコース」機能を正式にリリースする前、不妊治療をされている様々な方に2カ月ほどプロトタイプの使用をお願いし、フィードバックをいただきながら開発を進めました。
 サービスを使った感想を日記などに記載してもらい、どのタイミングで使うモチベーションが下がってしまうのか、逆に、どのタイミングで役立ったのかを細かくチェックすることで、自分たちが良かれと思って実装した機能が最適解でなかったことに気づけたり、新たなニーズを発見でき、より自信をもった状態で世の中に送り出すことができました。
 協力いただいた方々に改善後のサービスを使用してもらい、「これはありがたい」という言葉をいただくこともできました。

 このように、当社ではサービスを正式にリリースする前からUXの検証、改善を行い、サービス開始後も継続してユーザーの声を聞き、改善を積み重ねていく文化があります。
 これまで何件かパートナー企業が提供しているサービスを実際に使用し、改善のポイントをお伝えする「コンテンツクオリティチェック」をする機会がありましたが、担当の方からは「ユーザー視点を大切にし、スマートフォンサービスに強みを持つエムティーアイだからこその指摘で、自分たちだけでは改善点を見つけられなかった」と感謝していただけました。

 

―UXデザインはどのように行われるのでしょうか?

 UXデザインはサービス作りにおいても運営においてもとても大切なものですが、ノウハウがなく他社にコンサルティングを依頼しようとするとかなり高額になりがちです。それにより取り入れるハードルが高くなってしまうという声を聞くこともあります。

UXデザインミーティングを先導する内山

 初めてUXデザインを取り入れる場合には、全工程を一貫して行うことが理想的ではありますが、「サービスの利用率を上げたいが何から手を付ければ良いかわからない」といったざっくりとした相談や、「予算や期間に限りがあるが、どこまでできるか?」など制限がある依頼でも工程の一部を切り出して提供することも可能です。

 UXデザインに関する情報はインターネット上や書籍などからも学ぶことはできますが、いざサービスに適用しようと思ってもうまく進まないことが多いと聞きます。体験を通じたノウハウを身につけるためにも、初めはUXに精通したファシリテータのもとで体系的に取り組むことが大切だと考えています。

 

UXデザインを“理想”で終わらせないエムティーアイのサービス企画・開発

―パートナー企業に、エムティーアイだからこそ提供できる価値とは?

 当社には社内の多くのサービスに関わり経験を積んだUXデザインに精通するメンバーが多数在籍しています。
 UXデザイナーが先導し、企画者や開発者を含むプロジェクトメンバーと共に設計した体験をもとに、サービスのワイヤーフレームを組み立てるUIデザイナーと、ビジュアルに落とし込むビジュアルデザイナーがおり、その3者が連携して初めて実現します。
 この連携は、数々のUXデザイン実績があるエムティーアイの強みであると言えます。
 また、徹底的にユーザー視点に立っていても、そのサービスがビジネスとして成り立たなければ運営は立ち行かないので、そこも踏まえたサービス作りが行えるのも特徴です。
 当社の企画者はマーケティングやビジネス観点を持っており、そういったメンバーがUXデザインを日々実践しています。
 営業担当にもUXデザインの工程に参加してもらい、サービスを顧客に売る際に心配な部分などの意見をサービス作りに反映しています。
 近年、他社のサービス開発のパートナーとなることや、デジタル技術を利用して事業の変革を実現するデジタルトランスフォーメーション(DX)の支援を行うことが増えてきています。
 支援をする際には、当社の企画者、開発者、デザイナーがパートナー企業のみなさまとタッグを組んで取り組みますが、その際に私自身もUXデザイナーとして参画する機会を多くいただいています。
 今後もUXデザイナーとしてユーザーにとってより良い体験を設計し、自社・他社問わず多くのユーザーに喜ばれ、ユーザーの人生の友となるようなサービスを提供していきたいです。

※1 「iPhone」は、米国および他の国々で登録されたApple Inc.の商標です。
※2「デコメ」は、NTTドコモの登録商標です。

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